ブログ / Diary

最近よく行なう調節卵巣刺激法PP-OSについて

ARTのための卵巣刺激法(COS)は色々あります。 その中で卵巣機能が比較的良好な方にはantagonist法がよく使われます。 また今日では標準的な方法になっています。 これは、刺激の途中で勝手に排卵しないようにブレーキ役のantagonist(商品名 ガニレスト)を注射します。 PP-OS法とはこのantagonistの替わりに合成黄体ホルモン(商品名 デュファストン)を内服し勝手な排卵を予防します。 この方法の利点は①安価 ②注射ではなく内服薬 ...

『不妊症の原因となる子宮内膜症の予防、治療』について

近年、子宮内膜症(EM)は増加しています。 比較的若い年齢(20歳前半)からの発生も稀ではありません。 EMが一旦発生するとこれを完全になくすことは困難ですが、それ以上に進ませないことは可能です。 逆に放置するとEMは進行し、将来、不妊症の原因になります。 まず、強い生理痛や生理以外の腹痛、性交痛を自覚したら受診しましょう。 早めの治療(ピルの服用やジェノゲスト)はEMの成長にブレーキをかけ、将来の不妊症の予防につなが...

『女性アスリートとスポーツ障害(月経異常)』

いよいよ東京オリンピックが始まりそうですね。 ゛女性アスリートの三主微゛というものを聞いたことがありますか? 健康を増進させるためのスポーツですが運動量が過度になりやすいトップアスリートには ①月経異常(月経がない、たまにしか月経がないなどの生理不順) ②体重コントロールのため、強い食事制限を行ないエネルギー不足に陥りがち ③疲労骨折のリスクが上昇する。 これは過度の運動や体重制限により卵巣機能が低下あるいは停止...

『体外受精のための新しい卵巣刺激法』を始めました

当院では従来、たくさんの卵を獲得するために主にantagonist法で卵巣刺激を行なってきました。 最近新しい刺激法としてPP-OS(progesterone primed-ovarian stimulation)を始めました。 本法はantagonist法と同等の妊娠成績が上げられると言われますが刺激に要するコストが安価なのが魅力です。

生殖補助医療胚培養士試験合格のお祝い会

生殖補助医療胚培養士試験合格のお祝い会

久しぶりのブログアップになります。今年の胚培養士認定試験に当院から一人受験し、見事合格し、学会認定の有資格者がまた一人増えました。あまり人前で努力している姿を見せない性格ですが、毎日コツコツと勉強を続けた結果が実ったようです。 このコロナ禍の中、院内でお祝いの会食を企画していただき、看護師さん方や受付さんたちとも和気あいあいとしたコミュニケーションの機会にもなりました。銀座の中心にありながらこのアットホームな雰囲...

今後のこと是非、ご相談下さい

こんにちは!久しぶりの投稿になります。長引くコロナ禍、皆様いかがお過ごしですか?梅雨の空模様、気候も気分もどんより~夏が待ち遠しい今日この頃です。さてクリニックでは、5月から電子カルテの新システムが導入がされ2ヶ月が経ちました。開始にあたり待ち時間や受付QRコード登録など、ご迷惑とご不便をお掛けし大変申し訳ございませんでした。皆様のご協力とご理解のお陰で、今日に至ることができましたこと感謝いたします。有難うございま...

見逃されやすい子宮内膜症

皆さんお元気ですか? 最近、生理痛や性交痛を訴えて来院する患者さんが増えています。皆さん、既に他院で受診していて特に問題はないと言われた方です。しかし診察してみると内膜症がある方が殆どです。 それも診断しにくい骨盤子宮内膜症の方々です。 次のような症状があったら内膜症を疑いましょう。 ①昔と比較して年々月経痛が強くなっている ②月経前にも腹痛がある ③時に性交痛(膣の奥)がある ④不妊症 このような症状に心当たりのあ...

看護部より ~冬の脱水予防~

こんにちは。 12月に入り、急に寒さが厳しくなってきました。 太陽の出ている時間も短く、自律神経も乱れやすい時期になっていますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか? 冬というと冷え対策に注目されがちですが、知らず知らずのうちに脱水になっていることも多いです。 頭がぼーっとするなぁ なんだかくらくらする マスクもつけていますし、暖房がよくきいているお部屋だとそんな症状を感じられる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょ...

体外受精法での受精障害についての医師、培養士間の認識の違い

初めて体外受精(cIVF)を経験される患者様の場合、同じパートナーとの間で自然妊娠や人工受精での妊娠歴があれば、ある程度受精卵が得られるだろうと予測できますが、妊娠歴がない方の初めてのトライアルの時にはどうしても不安な気持ちになります。当然、多くの卵子(当院の規定では8個以上)が得られた場合には、体外受精と顕微授精の両方の媒精方法を行うSplit ICSIを施行しますが、採卵数が少なく、体外受精のみを行うことになった場合には患者様...