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災害に備えて~培養室より~

台風19号の被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興と日常生活に戻れますようお祈り申し上げます。

みなさまこんにちは、楠原ウィメンズクリニックの培養部です。
先週末は台風19号が日本を通過し、各地で浸水や停電などの甚大な被害が発生しました。
電車などの交通機関が午後からの運休を発表する中、この日も多くの患者様にお越しいただきました。午前中で診察や会計が終わり、患者様が無事に帰られた後のロビーを見て一安心し、また起こりうる災害に気を引き締めました。

楠原ウィメンズクリニックの培養室では災害に備え、以下の対策を行っています。

① 停電対策
培養室には非常用バッテリー電源を常備しています。
災害により停電が起こった場合は、自動的に非常用バッテリー電源に切り替わります。非常用バッテリー電源から引き続き電力が供給されるので、インキュベーター(胚を培養している装置)などへの影響はありません。
また、長時間の停電が見込まれる場合は、院長指示により現在育てている全ての胚を凍結して保存します。

② 地震対策
1) 地震によるインキュベーター転倒防止対策として、インキュベーターや冷蔵庫などを培養室の壁に固定しています。
2) 凍結胚や凍結精子の入った保存タンクは、培養室内で転倒してしまうと中の液体窒素が漏れ出しとても危険なので、培養室外の部屋で常に保管しています。保存タンクは底にキャスターとよばれる車輪を装着し、地震で転倒しないようにしています。また、揺れによって車輪のついた保存タンクが部屋内を移動しないように対策を行っています。
3) 顕微授精や胚の観察を行う顕微鏡の下には、免振装置を置いています。
顕微授精や胚の観察などの業務中に地震が発生した場合は、全ての作業を中断し、一刻も早く安全なインキュベーターの中に戻すよう心がけています。

また、就業時間以外に災害が発生した際の対策として、スタッフ間の連絡が不可能な場合の想定や、スタッフが培養室に駆け付ける場合の優先順位などの取り決めを行っています。
災害が起こった際に被害をどれだけ少なく出来るかを考えて、防災に取り組んでいきます。