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子宮内膜が菲薄な人への血小板由来因子濃縮物注入により内膜を厚くさせ胚移植を行なう新たな方法

ART成功のカギは移植する胚のグレード(良い胚か、悪い胚か)はもちろんですが、もう一つ着床の場である子宮内膜(EM)の受け入れ状態(receptivity)が重要です。
内膜の状態を最も簡単にモニターする方法の一つが超音波で内膜の厚さを計測する方法です。通常EM厚が7mm以上あればOKとされますが、自然周期ではもちろん、外部からEMを厚くする卵胞ホルモンを補充しても厚くならない人が時にみられます。そのようなEM菲薄な場合、最近、血液中の細胞の一つである血小板を濃縮し、血小板由来因子濃縮物(PFC-FD)を子宮腔内に注入し、EMを厚くする方法が開発されています。PFCにはいろいろな成長因子が含まれておりEMの増殖を促します。当クリニックでもEMが6mmと薄いため胚移植を行なっても妊娠に至らなかった方にPFC-FD療法を始めています。第1例目の方がねらい通りEMが厚くなり胚盤胞移植で見事に妊娠に成功しました。