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当院のグレード別妊娠率~胚盤胞期 胚移植~

こんにちは、楠原ウィメンズクリニック培養室です。

先日、患者さんよりAAを戻した場合、妊娠率はどのくらいですか。とご質問を頂いたので、改めて当院のグレード別妊娠率を算出しました!(画像参照)

期間は2021年1月1日~2022年5月31日で算出しております。

グレードは大きく分けて3段階
・3~6AA
・3~6AB.BA
・3~6BB. AC. BC
※対象期間のCA.CBの移植周期は4件のみでサンプル数が少ないため今回のデータには入れておりません。



胚のグレード評価について、おさらいしましょう。

胚盤胞期胚では成長ステージ、細胞数、細胞の密度、胚の日齢を評価し、凍結や移植における胚の優先順位を決めています。

(例)4AA

グレード1~6の数字は成長ステージを示しております。
1・2 : 胞胚腔ができ始める。
3 : 胎児や胎盤になる細胞が形成される。
4 : 透明帯が薄くなる。
5 : 透明帯から脱出し始める。
6 : 完全に透明帯から脱出する。

グレードA.B.Cの英語は細胞数と細胞の密度を示しております。
A : 細胞数が多く、細胞が互いに密着している。
B : 細胞数が中程度見られる。
C : 細胞数が少ない、または細胞が確認できない。

また、内細胞塊(将来、胎児となる細胞)と栄養外胚葉(将来、胎盤となる胚)の評価の順番は次の通りです。

内細胞塊→AA←栄養外胚葉


今回のデータは2個移植周期を除き、1個移植でデータを出しております。
34歳以下の患者さんでは、3~6AAを移植した場合は1回あたり62.5%の割合で妊娠されております。

ご参考になれば幸いです^^