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Giant oocyteについて

最近、培養室の仕事をしていると本当にたまたまだと思うのですが、Giant oocyteに遭遇することが多い気がしています。そこで少しgiant oocyteについて調べてみました。
マウスなどの実験動物とほぼ同程度の頻度(~0.3%)で、ヒトにおいてもGiant oocyteが生ずる。通常サイズの卵母細胞と比べて一回り大きいサイズのgiant oocyteは減数分裂に入るよりも前の過程で隣り合った二つの細胞が何らかの理由で一つに融合して形成されたもので、GV(卵核胞)期では細胞質内に二つのGVが観察されることが多い。成熟すれば、細胞質内に二つの紡錘体、囲卵腔には二つの第一局体が放出され、ICSIを行って前核形成されればたいていの場合、3つの前核と合計4個の極体が観察される。しかしながら、ごくまれに成熟時点で極体が一つ、ICSI後に正常核相と思われる、いわゆる2前核2極体となるものもある。そのような胚をday5まで培養してみると意外と発生率は高く、通常サイズの受精卵と同率で胚盤胞にまで発育していく。他に通常サイズの移植可能な胚が出来なかった患者様には、移植してあげたいという気が起こらなくもない。しかし、Hanna Balakierらの2002年の論文から、たとえ2前核2極体であっても、やはり染色体レベルでは3倍体やら4倍体などの数的異常が必ず見られるようです。やはり、giant oocyte由来の胚は一切移植には用いない方がよいということですね。