ブログ / Diary

2020年07月

胚盤胞によく似た細胞塊

胚盤胞によく似た細胞塊

当院でのARTの基本方針は"Freeze all"で一部、分割期(Day 3)凍結、残りはDay 5-6凍結保存としている。凍結融解胚盤胞移植の周期では当院以外でもassisted hatchingを施行することが多いように思える。胚移植を行った後、培養士は移植用カテーテル内部や周囲、また外筒を使用した場合にはその内部まで、胚が残存していないかどうかの確認を行う。その確認の際にカテーテル内や外筒の内部から収縮した脱出胚盤胞によく似た細胞塊が見つかることがある...

クリニック・看護部の近況報告です!

クリニック・看護部の近況報告です!

こんにちは。 関東は間もなく梅雨明けになると言われてはいますが、連日じめじめとした気候が続く中、皆さまいかがお過ごしでしょうか? 早いもので、2020年も下半期に入りました。 世の中まだ不安定で先行きが見えず、手探りな日々をお過ごしの方も少なくないと思います。 先月看護師糸川が綴った、自律神経を整える方法。こういう時にこそ、今できることに取り組んでみてくださいね。 本日はクリニック・看護部の近況をお伝えします! ...

Giant oocyteについて

Giant oocyteについて

最近、培養室の仕事をしていると本当にたまたまだと思うのですが、Giant oocyteに遭遇することが多い気がしています。そこで少しgiant oocyteについて調べてみました。 マウスなどの実験動物とほぼ同程度の頻度(~0.3%)で、ヒトにおいてもGiant oocyteが生ずる。通常サイズの卵母細胞と比べて一回り大きいサイズのgiant oocyteは減数分裂に入るよりも前の過程で隣り合った二つの細胞が何らかの理由で一つに融合して形成されたもので、GV(卵核胞)...

今年度の中央区の子宮がん検診のお知らせ

こんにちは。受付です。7月に入り連日梅雨空が続いております。またこの気候でマスクの着用が息苦しく感じる方も多いかと思います。 夏場のマスク着用は熱中症のリスクが高まりますのでこまめに水分補給をし、お気をつけ下さい。 本日は中央区の子宮がん検診が始まったことをお知らせいたします。 子宮がんとは、子宮頸部にできる「子宮頸がん」と子宮体部にできる「子宮体がん」に分類されます。 子宮頸がんは、子宮の入り口の子宮頸部と呼ば...

初めての院内勉強会

昨日、赴任後最初の院内勉強会をさせていただきました。 ヨーロッパ生殖医学会(ESHRE)の開催に合わせて、ヨーロッパ各国の培養士の代表が集まってART laboratory(培養室)業務における問題提起や解決法などについて話し合う、alfaの会というものがあります。その会議で制定された培養室のレベルを客観的に評価するいくつかの指標について紹介させていただきました。例えば、体外受精での正常受精率は75%以上を目指しましょう、とか正常受精卵を5日...

自律神経について~看護部より~

初めまして、不妊症看護認定看護師の糸川優子と申します。 楠原ウィメンズクリニックに入職し半年が過ぎました。今回よりブログ投稿もさせていただきます。どうぞ、宜しくお願いします!! さて、緊急事態宣言が解除され4週間が経過しますね。以前とは違う新しい形で送る生活になりました。クリニックロビーから見渡す銀座も少しずつ賑わいを感じます。 早いもので夏至が過ぎ、気温差がある日が続いていますが皆様いかがお過ごしでしょうか。 ...

はじめまして

2020年4月より培養室長として、楠原浩二先生の下でお世話になっている沖津摂です。早いもので、コロナが本格的に流行し始めた3月末に岡山から都内に出てきて3カ月が経過しました。初出勤日から顕微授精や胚の凍結保存などをさせていただきましたが、初めての培養室環境下でもしっかりと結果を出すことができ、それがかえって培養室スタッフに信頼してもらえる、良いきっかけになったように思います。 これまでの25年間の培養士としてのキャリアと、...

当院に沖津培養室長が着任してからの状況

4月より培養士のパイオニア、カリスマ培養士の沖津氏が当院で室長として力を発揮しております。 受精率・3日目の良好胚率・胚盤胞到達率・良好胚盤胞率も確実に上昇しております。 4月~5月は新型コロナの流行で移植がままなりませんでしたが、6月の移植から着実に妊娠効果の手ごたえを感じております。 さらに今後は上昇する予感が感じられます。

「子宮内膜菲薄(うすい)症に対する血小板サイトカイン療法」をはじめます

体外受精で凍結保存した胚盤胞を移植する場合、子宮内膜が充分厚くならない子宮内膜菲薄の人が時にいます。その状況で胚移植しても着床が期待できません。このような人に対して極く最近、血小板サイトカイン療法とういう方法が開発されました。これは患者さんの採血を行ない、その血液から血小板だけをとり出します。血小板にはいろいろな成長因子(GF)が含まれていますが、その成長因子をとり出し胚移植の少し前に子宮腔内に注入してあげます。す...