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保険適用になってからの妊娠率と移植成績

こんにちは、楠原ウィメンズクリニック培養室です!


2022年4月より不妊治療に関わる治療費が保険適用になりました。

保険適用にはならなかった治療や調整処理は先進医療として扱われ、今年に入ってからは都内在住の方向けに助成金が補助されます。(先進医療は自費ですが、保険と併用して治療が受けられます。)


自費の時と比べて、保険内で不妊治療を行うには制限されることが多いのが現状ですが、では妊娠率や治療成績にまで影響されてしまうのか。


自費と保険での妊娠率を比較してみました!


自費version(期間:2021.8.1~2022.3.31 対象:全年齢)

胚盤胞1個移植 妊娠率 50.4%(平均年齢:35.8±4.1歳)
分割期胚1個移植 妊娠率 23.9%(平均年齢:39.0±3.8歳)



保険version(期間:2022.4.1~2022.12.31 対象:全年齢)

胚盤胞1個移植 妊娠率 47.4%(平均年齢:36.2±4.1歳)
分割期胚1個移植 妊娠率 30.8%(平均年齢:38.3±4.0歳)



※妊娠率は胎嚢(GS)が確認できた時点でカウント
※当院は患者背景によっては2個移植も行っておりますが、2個移植のバイアスがかかってしまうため、1個移植での妊娠率を算出しています。


保険適用になってからも妊娠率は大きく変わらない結果でした。
分割期胚移植に関しては患者さんの平均年齢が下がったことにより、保険適用以降の方が妊娠率が高い成績となりました。



また近日、年齢別の妊娠率をホームページにアップする予定ですので、少々お待ちください。