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人工授精と体外受精の違いは?選び分けの基準と切り替えの目安を徹底解説
「タイミング法を続けてきたけれど、そろそろ次のステップかもしれない」そう考え始めたとき、目に入ってくるのが人工授精と体外受精という2つの言葉ではないでしょうか。名前は知っていても、何がどう違うのか、自分にはどちらが向いているのかまでは分かりにくいですよね。結論からお伝えすると、この2つは「階段の一段目と二段目」のように並ぶものではありません。精子と卵子が出会う場所が違い、越えられる壁の種類も違うため、どちらを選ぶかは検査で原因が分かっているかどうかで決まります。今回は、2つの治療の違いと選び分けの考え方、そして切り替えのタイミングについて分かりやすく解説します。この記事でわかること✓人工授精と体外受精で、精子と卵子が出会う場所の違い✓どちらを選ぶかを決める検査結果の考え方✓体への負担と通院回数の違い✓人工授精から体外受精へ切り替えるタイミングの目安目次01違いは「精子と卵子が出会う場所」02選び分けを決めるのは「順番」ではなく「検査の結果」03体への負担と通院回数の違い04切り替えを考えるタイミング05楠原ウィメンズクリニックで一緒に考えていきましょう06参考文献この記事の監修者学歴・東京都出身・白百合学園高校 卒業・杏林大学 医学部卒業・アメリカ ノースウェスタン大学院 Master of Science of Reproductive Science卒業経歴・2006年 杏林大学 医師初期研修終了・2006年 東京慈恵会医科大学 産婦人科入局・2010年 産婦人科専門医取得後、東京慈恵会医科大学 助教(以後、産婦人科生殖班にて診療と教育に従事)・2016年 米国ノースウェスタン大学院にて不妊治療の基礎医学から社会背景まで学ぶ・2018年 修士号を取得し卒業・2019年 東京慈恵会医科大学 産婦人科 助教および副医局長として勤務(“年齢における卵子の質の変化”をテーマとした研究論文にて博士号取得)・2022年 楠原ウィメンズクリニックにて勤務所属学会・日本産婦人科学会認定専門医 研修指導医・日本生殖医学会会員 生殖専門医・日本がん・生殖医学会認定 生殖医療ナビゲーター・日本産婦人科遺伝子診療学会会員違いは「精子と卵子が出会う場所」まずは方法の違いからです。人工授精は、採取した精液を濃縮処理し、細いチューブで子宮の内腔に直接注入する方法です。海外ではIUI、日本では従来AIHと呼ばれてきました。注入したあとの流れは自然妊娠と変わりません。精子は自力で卵管まで進み、そこで卵子と出会います。つまり受精が起こる場所は体の中のままで、精子が子宮に届くまでの道のりを短縮する治療といえます。一方の体外受精は、卵巣から卵子を取り出し、体の外で受精させ、育った胚を子宮に戻す方法です。受精の場が体の外に移るため、精子と卵子が卵管で出会うという過程そのものが不要になります。当院では、成績の安定した凍結融解胚移植を基本としています。この違いが、そのまま「越えられる壁の違い」になります。・人工授精で迂回できること: 精子が子宮内へ届きにくいという入口の問題・人工授精では越えられないこと: 卵管の通過障害、受精そのものの問題回数を重ねれば人工授精でも届く、というものではない点がポイントです。選び分けを決めるのは「順番」ではなく「検査の結果」「まず人工授精を数回、それでもだめなら体外受精」。こうした順番が一般論として語られがちですが、当院はその順番自体を出発点にはしていません。大切にしているのは、不妊原因を検査で明らかにし、その原因に見合った治療を選ぶという流れです。原因が分からないまま、いきなり体外受精に進むことには疑問を持っています。人工授精が適応となるのは、主に次のような場合です。・精子所見に異常がある場合・フーナー試験の結果が不良の場合・性交障害がある場合・原因不明不妊の場合いずれも「精子が子宮内に届きにくい、または届いているか確かめられていない」という共通点があります。人工授精はその一点を確実に迂回できるため、原因と方法がきちんと噛み合うわけです。逆に、検査で卵管の通過性に問題が見つかった場合は、人工授精を重ねても状況は変わりません。精子を子宮まで運んでも、その先で卵子と出会えないからです。なお、原因不明不妊における人工授精は、タイミング法と比べて劇的に妊娠率が高くなるものではありません。この点は正直にお伝えしておきたいところです。体への負担と通院回数の違い治療内容以上に気になるのが、日常生活との両立ではないでしょうか。人工授精の場合事前にご夫婦そろって性感染症のチェックを1回の採血で行います。人工授精当日の注入に要する時間は2〜3分ほどで、特に痛みはありません。終わったあとの安静も不要なので、そのままお仕事に戻っていただけます。実施のタイミングは排卵日が理想ですが、前日や1日後でも効果は期待できるため、予定が動いた場合にも調整の余地があります。体外受精の場合卵胞を育てる期間に複数回の受診が必要となり、採卵・移植・妊娠判定と、節目ごとに来院していただきます。採卵は体への処置を伴うため、当日の負担も人工授精とは別物です。つまり、負担の軽さという点では明確な差があります。だからこそ、負担の軽い方法で届く状態なのかどうかを検査で見極めることに意味があるのです。負担が軽いからと人工授精を選び、原因と噛み合わないまま時間が過ぎてしまえば、かえって遠回りになりかねません。関連記事・人工授精の成功率はどのくらい?年齢別の妊娠率と回数の目安を徹底解説切り替えを考えるタイミング人工授精から体外受精への切り替えは、3〜6回を一つの目安としています。人工授精で妊娠される方の多くはこの範囲に含まれるため、それを超えて同じ方法を続けても、上積みは限られてくると考えられるからです。ただし、回数だけで判断しないことも大切です。同じ3回でも、30代前半の方と40代の方とではその間に流れた時間の重みが違います。年齢を踏まえる35歳以上の場合、6か月の不妊期間で検査を始めることが提唱されています。当院でも年齢が高い場合は、結婚から6か月ほどで検査を始め、早めのステップアップを検討しています。制度の区切りを知る体外受精と顕微授精は2022年4月から保険適用となり、治療開始日の妻の年齢が43歳未満が対象です。回数は39歳までなら6回、40〜42歳なら3回までとなります。人工授精を続けている間にも、この区切りは近づいてきます。検査の結果によっては、人工授精を経ずに最初から体外受精を選ぶ判断もあり得ますので、残された回数の枠も一緒に見ていきましょう。「40歳を過ぎてからでは遅いのでは」と気にされる方もいらっしゃいますが、当院でも40歳以上で治療に臨まれる方は多くいらっしゃいます。まずはご自身の状態を検査で確かめることから始めてみませんか?楠原ウィメンズクリニックへのお問い合わせはこちら ▶楠原ウィメンズクリニックで一緒に考えていきましょう人工授精と体外受精の違いは、精子と卵子が出会う場所の違いに集約されます。越えられる壁の種類が最初から異なるからこそ、どちらを選ぶかは検査で原因を確かめたうえで決めるものなのです。当院では、日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医および日本生殖医学会生殖医療専門医が、検査結果を踏まえてどの治療から始めるかをご一緒に考えます。タイミング法から人工授精、体外受精、顕微授精、男性不妊まで対応しておりますので、方針が変わった場合も同じ場所で治療を続けていただけます。銀座駅A1出口すぐの立地で、平日夜20時までや土日診療も実施しておりますので、働きながらの通院も可能です。「どちらが自分に合うのか分からない」という段階でも構いません。お二人にとっての最適な一歩を、一緒に探していきましょう。楠原ウィメンズクリニックへのお問い合わせはこちら ▶参考文献・日本生殖医学会 生殖医療Q&A・東京都福祉局 東京都不妊治療費助成事業の概要・東京都妊活課 不妊治療を受ける不妊症治療ガイド(参考情報サイト)



