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卵子凍結の費用はいくらかかる?総額の目安と助成金の使い方

卵子凍結を検討するうえで、多くの方が最初に気になるのが費用の問題ではないでしょうか。
「だいたいいくらかかるのか」「保険は使えるのか」「助成金はあるのか」といった疑問に、曖昧な表現ではなく具体的な数字で答えたいと思います。

卵子凍結は原則として自費診療であり、クリニックによって料金体系は大きく異なります。採卵・凍結の費用だけに目が行きがちですが、実際には事前検査、排卵誘発の薬剤費、毎年の保管料、そして将来使用する際の体外受精費用まで含めた「総額」で考えることが不可欠です。

この記事では、卵子凍結にかかる費用の内訳から、保険適用の条件、東京都をはじめとする助成金制度、さらに医療費控除の活用法まで、費用面で知っておくべき情報を網羅的にお伝えします。

卵子凍結の費用相場

卵子凍結の費用は、大きく分けて「初期費用」「採卵・凍結費用」「年間保管料」の3つに分類されます。

一般的な費用相場は、1回の採卵周期あたり30〜60万円程度です。ここに排卵誘発の薬剤費や事前検査費が加わり、総額で40〜70万円ほどになるケースがほとんどでしょう。

ただし、この「相場」という表現には注意が必要です。クリニックによって料金に含まれる範囲が異なるため、見かけ上の金額だけでは正確な比較ができません。採卵費用に薬剤費が含まれているクリニックもあれば、別途請求されるクリニックもあるためです。

費用の内訳を項目ごとに把握する

卵子凍結にかかる費用は、治療の段階に応じて発生します。まず、初診・事前検査の段階では、感染症の採血(B型肝炎・C型肝炎・HIV・梅毒)やAMH検査(卵巣予備能を測る血液検査)が必要です。

楠原ウィメンズクリニックでは感染症採血が8,800円、AMH検査が別途かかり、この事前検査費は卵子凍結のパッケージ料金とは別に発生する点を押さえておきましょう。
次に、排卵誘発から採卵・凍結までの費用です。この部分がもっとも大きな割合を占めるでしょう。

卵巣刺激のための注射薬や内服薬、通院ごとの超音波検査とホルモン検査、採卵手術、そして凍結処理の技術料が含まれるのがほとんどです。
卵子凍結は年齢や将来の希望により必要な卵子の目標数が異なるため、楠原ウィメンズクリニック

では、初回の卵子凍結を、できるだけ卵子凍結の数を確保したい方から、なるべく金額を抑えたい方に向けて3つのプランを選んでいただけます。
金額を抑えて助成金内で目指したい方には、卵巣刺激・採卵・凍結費用込みで 20万円に設定しており、自費診療の相場(40〜60万円)と比較するとかなり抑えた価格設計になっています。

また、卵子の数をできるだけ多く確保したい、静脈麻酔で痛みを少なく治療したい方には45万円のプランを選んでいただくと、卵子凍結の個数に制限なく保管、痛みの少ない自己注射、静脈麻酔併用で、負担が少なく治療を受けられます。

卵子凍結は保険適用になるのか

卵子凍結の費用を調べる方が必ず気になるのが、保険適用の可否でしょう。
結論から言えば、社会的適応(将来の妊娠に備えた卵子凍結)は保険適用外であり、全額自費診療となります。

一方、医学的適応の場合は一部保険が使える可能性があります。
がんなどの治療前に妊孕性を温存する目的で卵子凍結を行う場合、小児・AYA世代のがん患者等を対象とした「妊孕性温存療法研究促進事業」の助成制度が利用できるケースがあるためです。

社会的適応の卵子凍結が保険適用されない理由は、日本の医療保険制度が「治療」を対象としており、「将来に備える予防的措置」は制度設計上カバーされていないためです。不妊治療としての体外受精は2022年4月から保険適用が拡大されましたが、卵子凍結そのものは「治療」ではなく「保存」に該当するため、現時点では保険の対象外という位置づけが続いています。

では、社会的適応の卵子凍結は経済的な支援が一切ないのかというと、そうではありません。東京都をはじめとする自治体が独自の助成金制度を設けており、費用負担を大きく軽減できる場合があります。

年齢によって変わる「実質的な費用」

卵子凍結の費用を考える際に見落としがちなのが、年齢によって実質的なコストが変わる点です。
日本生殖医学会のガイドラインでは、卵子凍結は36歳未満での実施が望ましいとされています。

年齢が若いほど1回の採卵で多くの成熟卵が採れる傾向にあるため、少ない採卵回数で目標個数に到達できる可能性が高まります。楠原ウィメンズクリニックが公開している年齢別の目標凍結個数を見ると、たとえば30〜32歳で1人出産するための目標は6個ですが、36〜38歳では8個、39〜40歳では10個と増えていきます。

目標個数が増えれば、それだけ追加の採卵周期が必要になる確率も上がるでしょう。仮に30歳で1回の採卵で6個の成熟卵を確保できた場合、初回費用で凍結が完了します。一方、38歳で1回の採卵では目標の8個に届かず2回以上の採卵が必要になった場合、複数回の採卵費用がかかることになるのです。

さらに、凍結した卵子を使用する年齢が高いほど、体外受精の妊娠率は凍結時の年齢に依存するとはいえ、母体側の妊娠継続リスクが増すため、移植回数が増える可能性も否定できません。移植1回あたり数十万円のコストを考えると、「いつ凍結するか」は費用面でも重要な判断基準だといえるでしょう。

東京都の助成金で自己負担はどこまで下がるのか

東京都福祉局が実施する卵子凍結への助成制度は、都内在住の18〜39歳(採卵日時点)の女性を対象に、凍結年度に上限20万円を助成するものです。翌年度以降は、保管に係る調査に回答した際に年2万円(2028年度まで)が追加で助成されます。

楠原ウィメンズクリニックは東京都の卵子凍結助成制度の登録医療機関です。初回凍結費用30万円に対して助成金20万円を活用すれば、自己負担は軽減されます。
事前検査やオプション費用を含めても、初年度の実質負担は3〜15万円前後に収まる可能性が高いでしょう。

助成金を受けるための注意点

助成金の利用にはいくつかの条件があり、手続きの順序を間違えると対象外になる場合があるため注意が必要です。まず、東京都が開催するオンライン説明会への参加が必須で、各回定員175名の先着順となっています。

説明会参加日から1年以内に医療行為を開始する必要があるため、「いつかやろう」と先延ばしにすると説明会の有効期限が切れてしまうリスクもあります。説明会への参加申し込みから助成金の申請日まで、継続して都内に住民登録していることも条件です。
もっとも注意すべきなのが、説明会参加前にクリニックで治療を開始してしまうケースでしょう。説明会に参加し、協力申請の承認を受けてから治療を開始するという順序を守らないと、助成金の対象外になってしまいます。

「まずクリニックで相談してから説明会に参加しよう」と考える方も多いかもしれませんが、助成金の利用を検討しているのであれば、説明会への参加を先に済ませておきましょう。

楠原ウィメンズクリニックでは、卵子凍結の費用や助成金の活用方法について個別にご相談いただけます。ご自身のケースでの費用シミュレーションも含め、まずはお気軽にお問い合わせください。

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将来の使用時にかかる費用も忘れずに

卵子凍結の費用を考える際、凍結・保管だけでなく「凍結卵子を使って妊娠を目指すときの費用」まで視野に入れておくことが大切です。凍結卵子を使用する際は、卵子の融解、パートナーの精子との顕微授精、胚培養、胚移植という一連の体外受精プロセスが必要になります。

楠原ウィメンズクリニックでは超急速ガラス化保存法(Vitrification法)で凍結した卵子を融解後、必ず顕微授精(ICSI)で受精させ、胚の状態を確認したうえで子宮に移植する流れをとっています。社会的卵子凍結で保存した卵子を用いる場合、使用時の体外受精は原則として自費診療となるため、融解から移植までの費用として追加で数十万円がかかることを想定しておきましょう。

ただし、東京都では凍結卵子を使用した生殖補助医療に対しても別途助成制度を設けており、1回上限25万円(最大6回まで)の助成を受けることが可能です。初回助成時の年齢が40歳未満であれば6回、40歳以上であれば3回が上限となっています。凍結時の助成金と合わせて活用すれば、卵子凍結から妊娠・出産までのトータルコストを大幅に抑えられるでしょう。

この「使用時の費用」は、凍結から数年後に発生するため見積もりが難しいのが実情です。とはいえ、凍結する段階から「将来の使用コスト」をおおまかに把握しておけば、貯蓄や資金計画を早めに立てることが可能でしょう。
同じクリニックで凍結から使用までを一貫して行えれば、卵子の移送手続きや追加費用も不要で、費用面でも安心感が得られるはずです。

医療費控除は使えるのか

卵子凍結の費用が医療費控除の対象になるかどうかは、目的によって異なります。不妊治療を目的とした卵子凍結(医学的適応)は、医師による診療の対価として医療費控除の対象になるのが一般的です。

一方、将来に備えた社会的卵子凍結の場合、「治療」ではなく「予防的措置」にあたるため、医療費控除の対象外となるケースが多いとされています。ただし、個別の状況によって判断が分かれることもあるため、確定申告の際にはお近くの税務署に確認することをおすすめします。

なお、東京都の助成金を受けた場合、助成金額は医療費控除の計算において医療費から差し引く必要がある点も覚えておきたいポイントです。

費用を抑えるために知っておきたい視点

卵子凍結の費用負担を軽減するために、押さえておきたいポイントを整理します。

自治体の助成金を最大限活用する

東京都の助成金は凍結年度に上限20万円と大きく、保管期間の調査協力でさらに年2万円が加算されるため、利用しない手はないでしょう。ただし説明会の定員枠は各回175名と限られているため、早めの申し込みが重要になります。

東京都以外にも、大阪府池田市では卵子凍結にかかる費用の上限20万円の助成を実施しており、千葉県柏市や山梨県にも同様の制度があります。お住まいの自治体に助成制度があるかどうか、事前に確認してみましょう。

加えて、東京都は企業が従業員の卵子凍結に関する休暇制度や福利厚生制度を整備する際に奨励金を支給する「キャリアとチャイルドプラン両立支援事業」も実施しています。勤務先がこうした制度を導入している場合、費用の一部補助を受けられる可能性もあるため、人事部門に確認してみる価値はあるでしょう。

「いつ凍結するか」が費用に直結する

年齢が若いほど1回の採卵で多くの卵子が採れる傾向にあり、必要な採卵回数が少ないとされています。30代前半と後半では、同じ個数の卵子を確保するためにかかる費用に差が出る場合もあるでしょう。

加えて、若い年齢で凍結するほど保管期間は長くなり、保管料の累計は増えるものの、採卵回数の少なさで初期費用は抑えられる傾向にあるため、トータルで見れば早めの凍結がコスト効率に優れるケースも多いです。

検討段階であれば、まずAMH検査(卵巣予備能を測る血液検査)だけでも受けておくと、具体的な費用感を把握する材料になるはずです。

楠原ウィメンズクリニックで費用のご相談を

卵子凍結の費用は、クリニックごとに料金体系が異なり、公開されている情報だけでは比較が難しい部分もあります。

ご自身の年齢や卵巣機能、目標凍結個数によって実際にかかる費用は変わるため、個別の費用シミュレーションが最も確実な判断材料になるでしょう。
楠原ウィメンズクリニックは、1996年の開業以来、生殖医療の分野で長年の実績を持つ銀座のクリニックです。

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医・日本生殖医学会生殖医療専門医が在籍し、明確な料金設定のもと、東京都の助成金制度にも対応しています。

銀座駅A1出口すぐの立地で、平日夜20時までの診療や土曜日曜の診療も実施しております。
まずは費用面の不安を解消することから始めてみてはいかがでしょうか。

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不妊症治療ガイド(参考情報サイト)