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受精しない原因はどこにある? 〜培養室から見る「受精障害の本当の理由」〜#5
こんにちは楠原ウィメンズクリニック培養室です。
「採卵はできたのに、受精しなかった...」
「精子も卵子も問題ないと言われたのに、なぜ?」
このようなお悩み、とても多いです。
実は受精は、単純な現象ではありません。
いくつものステップが重なって初めて成立します。
今回は、普段あまり知られていない
培養室の視点から、受精しない理由をわかりやすく解説します。
●受精とは何が起きているのか?
体外受精や顕微授精では、
✔精子が卵子に入る
✔卵子が目を覚ます(活性化)
✔正常受精(2PN)になる
という流れで進みます。
どこか一つでもうまくいかないと、受精には至りません。
●受精しない原因は大きく3つあります
① 精子側の問題
✔DNAのダメージ
✔活性酸素の影響
✔卵子を活性化させる力の低下
見た目が良くても、「機能」の部分が影響することがあります。
② 卵子側の問題
✔成熟のばらつき
✔年齢による影響
✔反応の弱さ
精子が入っても反応が起きないケースがあります。
③ 卵子の「スイッチ」が入らない
ここがとても重要なポイントです。
本来、精子が卵子に入ると受精のスイッチが入ります。
このスイッチが入ってはじめて、受精がスタートします。
しかし、
✔精子は入っている
✔でも受精しない
という場合、
スイッチがうまく入っていない可能性があります(図参照)。
●では、どう対策するのか?
原因に応じて
✔精子の選別
✔刺激法の見直し
✔顕微授精(ICSI)
などを行います。
それでも改善しない場合には、
卵子のスイッチをサポートする方法が検討されます。
●rAOA(人為的卵子活性化)という方法
rAOA(人為的卵子活性化)とは、
採卵で得られた卵子に対して行う処置であり、患者さんの体に直接行うものではありません。
特定の薬剤を用いて、卵子の「受精のスイッチ」が入りやすくなるよう、
そっとサポートする方法です。
この方法は、
卵子が本来持っている反応を引き出すことを目的としており、
すべての卵子に一律で行うものではありません。
当院では、卵子の状態を確認したうえで、必要と判断される場合に実施しています。
●当院での実施方法
当院では、顕微授精(ICSI)を行ったあと、
4〜5時間後の時点で受精の変化が見られない卵子に対して
必要に応じてrAOA(人為的卵子活性化)を行っています。
また、
すべてのICSI周期において卵子の状態を確認し、適応があると判断した卵子に実施しています。
●当院の実績(参考データ)
顕微授精後に変化が見られなかった卵子に対して
rAOA(人為的卵子活性化)を行った場合、
受精に進む割合が高くなる傾向が確認されています。
✔rAOAあり:86.0%
✔rAOAなし:31.2%
約2.75倍の差が認められています。
このことから、
これまで受精に至らなかった卵子の一部が受精へ進み、
結果として使用可能な胚が増える可能性があります。
※ご注意
✔結果には個人差があります
✔すべての方に同様の結果を保証するものではありません
●最後に
受精しないという結果は、とても不安になりますよね。
しかし培養室の視点では、
原因が見えることで、次の選択肢が見えてくることがあります。
一度の結果だけであきらめず、
次につながる方法を一緒に考えていくことが大切です。
また当院では、
培養士が直接ご相談をお受けする「培養士外来」も行っています。
受精や胚の発育、凍結についてなど、培養室に関することで疑問に思うことや、
少し気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
詳しくはこちら
●よくあるご質問(Q&A)
受精に関して、よくいただくご質問をまとめました。
Q1. 受精しなかったのは、精子と卵子どちらが原因ですか?
A. どちらか一方とは限りません。
「受精のスイッチ」がうまく入らない機能的な問題が関係していることがあります。
Q2. 顕微授精でも受精しないことはありますか?
A. はい、あります。
精子を入れた後の卵子の反応(活性化)が起きない場合、受精は成立しません。
Q3. 一度受精しなかった場合、次も同じになりますか?
A. 必ずしも同じとは限りません。
原因に応じて方法を変えることで改善する可能性があります。
Q4. rAOA(人為的卵子活性化)はどんなときに行いますか?
A. 受精の変化が見られない卵子に対して、
必要と判断される場合に実施しています。
Q5. rAOAで受精率は上がりますか?
A. 当院では、受精率が高くなる傾向が確認されています。
ただし個人差があります。
Q6. rAOAで何が変わりますか?
A.受精に至らなかった卵子が受精へ進む可能性があり、
結果として胚の選択肢が広がることにつながる場合があります。
「採卵はできたのに、受精しなかった...」
「精子も卵子も問題ないと言われたのに、なぜ?」
このようなお悩み、とても多いです。
実は受精は、単純な現象ではありません。
いくつものステップが重なって初めて成立します。
今回は、普段あまり知られていない
培養室の視点から、受精しない理由をわかりやすく解説します。
●受精とは何が起きているのか?
体外受精や顕微授精では、
✔精子が卵子に入る
✔卵子が目を覚ます(活性化)
✔正常受精(2PN)になる
という流れで進みます。
どこか一つでもうまくいかないと、受精には至りません。
●受精しない原因は大きく3つあります
① 精子側の問題
✔DNAのダメージ
✔活性酸素の影響
✔卵子を活性化させる力の低下
見た目が良くても、「機能」の部分が影響することがあります。
② 卵子側の問題
✔成熟のばらつき
✔年齢による影響
✔反応の弱さ
精子が入っても反応が起きないケースがあります。
③ 卵子の「スイッチ」が入らない
ここがとても重要なポイントです。
本来、精子が卵子に入ると受精のスイッチが入ります。
このスイッチが入ってはじめて、受精がスタートします。
しかし、
✔精子は入っている
✔でも受精しない
という場合、
スイッチがうまく入っていない可能性があります(図参照)。
●では、どう対策するのか?
原因に応じて
✔精子の選別
✔刺激法の見直し
✔顕微授精(ICSI)
などを行います。
それでも改善しない場合には、
卵子のスイッチをサポートする方法が検討されます。
●rAOA(人為的卵子活性化)という方法
rAOA(人為的卵子活性化)とは、
採卵で得られた卵子に対して行う処置であり、患者さんの体に直接行うものではありません。
特定の薬剤を用いて、卵子の「受精のスイッチ」が入りやすくなるよう、
そっとサポートする方法です。
この方法は、
卵子が本来持っている反応を引き出すことを目的としており、
すべての卵子に一律で行うものではありません。
当院では、卵子の状態を確認したうえで、必要と判断される場合に実施しています。
●当院での実施方法
当院では、顕微授精(ICSI)を行ったあと、
4〜5時間後の時点で受精の変化が見られない卵子に対して
必要に応じてrAOA(人為的卵子活性化)を行っています。
また、
すべてのICSI周期において卵子の状態を確認し、適応があると判断した卵子に実施しています。
●当院の実績(参考データ)
顕微授精後に変化が見られなかった卵子に対して
rAOA(人為的卵子活性化)を行った場合、
受精に進む割合が高くなる傾向が確認されています。
✔rAOAあり:86.0%
✔rAOAなし:31.2%
約2.75倍の差が認められています。
このことから、
これまで受精に至らなかった卵子の一部が受精へ進み、
結果として使用可能な胚が増える可能性があります。
※ご注意
✔結果には個人差があります
✔すべての方に同様の結果を保証するものではありません
●最後に
受精しないという結果は、とても不安になりますよね。
しかし培養室の視点では、
原因が見えることで、次の選択肢が見えてくることがあります。
一度の結果だけであきらめず、
次につながる方法を一緒に考えていくことが大切です。
また当院では、
培養士が直接ご相談をお受けする「培養士外来」も行っています。
受精や胚の発育、凍結についてなど、培養室に関することで疑問に思うことや、
少し気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
詳しくはこちら
●よくあるご質問(Q&A)
受精に関して、よくいただくご質問をまとめました。
Q1. 受精しなかったのは、精子と卵子どちらが原因ですか?
A. どちらか一方とは限りません。
「受精のスイッチ」がうまく入らない機能的な問題が関係していることがあります。
Q2. 顕微授精でも受精しないことはありますか?
A. はい、あります。
精子を入れた後の卵子の反応(活性化)が起きない場合、受精は成立しません。
Q3. 一度受精しなかった場合、次も同じになりますか?
A. 必ずしも同じとは限りません。
原因に応じて方法を変えることで改善する可能性があります。
Q4. rAOA(人為的卵子活性化)はどんなときに行いますか?
A. 受精の変化が見られない卵子に対して、
必要と判断される場合に実施しています。
Q5. rAOAで受精率は上がりますか?
A. 当院では、受精率が高くなる傾向が確認されています。
ただし個人差があります。
Q6. rAOAで何が変わりますか?
A.受精に至らなかった卵子が受精へ進む可能性があり、
結果として胚の選択肢が広がることにつながる場合があります。



